疲れを感じた時に甘いものを食べると、おいしく感じますよね。
「甘いものを食べると、疲労回復にも効果がある」
この説は昔からよく知られています。
しかし近年この定説を覆す「甘いものを食べると疲れが取れるのはウソで、逆に疲労が増してしまう」という話が聞かれるようになりました。
実際はどちらが本当なのでしょうか?
調査してみました。
甘いものを食べると疲労に効果的というのはなぜ?
そもそも甘いものを食べることはなぜ、疲労に効果的であると言われているのでしょうか?
それには「脳の信号」が大きく影響しています。
甘いものを食べたくなるメカニズムは人間が疲労を覚えることで、脳が体に対して今エネルギーを必要としていると思って起こる糖分欲求です。
糖分は体内でエネルギーに変わるのがとても早いので、一時的には疲労を回復したように感じられます。
甘いものを食べた時に起こる脳の反応で、疲労を回復したと思うのですね。
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甘いものを1度にたくさん摂ると血糖値が上がる
このように甘いものを食べることには「一時的な疲れをとる効果」はあるのです。
ですが食べる時の摂取量については、ちゃんと自分で制限をする必要があります。
なぜならば甘いものを短時間で大量に摂取してしまうことは、体内で急激に血糖値を上げてしまうことにつながるからです。
血糖値が上がってしまうと、体内ではインスリンの分泌が促進されます。
インスリンがたくさん分泌されることで、今度は反対に血糖値が急激に下がりはじめます。
疲れを癒そうと甘いものを食べたはずなのに、結果的に体にさらなる疲労感を与えてしまうのです。
このような短時間での血糖値のアップダウンは、もちろん体によくありません。
さらに甘いお菓子を1度にたくさん食べることは、体重の増加にもつながっています。
疲労が溜まっている時に、なにか甘いものを摂取したいと感じたら、できるだけ食べる量を少なめにするようにしましょう。
おすすめはカカオがたくさん入っているチョコレート
疲労時に甘いものを食べるのであれば「カカオの含有量が高いチョコレート」がおすすめです。
カカオ含有量の%が箱に明記されているチョコレートが最近人気で、お店で販売されているのもよく見かけます。
チョコレートに含まれている成分の1つにカカオが有名です。
実はこのカカオの中には「カカオポリフェノール」という、健康効果のとても高い成分が含まれているのです。
カカオポリフェノールには「疲労をやわらげる抗酸化作用」を持っていることも、最近の研究からわかっています。
疲れた時の間食には、抗酸化作用のあるカカオ含有量の多いチョコレートがまさにピッタリなのです。
「動脈硬化の予防」や「血圧の低下」にもカカオポリフェノールは効果的なので、疲労を感じていない時でも、積極的に摂取するように心がけたいですね。
その一方でカカオ含有量の多いチョコレートには「カフェイン」もたくさん含まれています。
気分をシャキッとしたいときにはおすすめの成分ですが、カフェインは頭の覚醒作用も高いです。
就寝前などのチョコの食べ過ぎには注意してくださいね。
甘いものは脳のエネルギーとしても大切
このように一度にたくさん食べるとよくない甘いものですが、少量であればストレス解消など体に対して良い働きをもたらしてくれます。
甘いものに含まれている「糖類」は体の中で「ブドウ糖」という栄養素に変化します。
実はこのブドウ糖、特に脳のエネルギー源として重要な働きをする栄養素なんです。
よく将棋の中継などで棋士の方が対局中、合間に甘いものを食べている姿を観たことはありませんか?
将棋は頭脳戦なので、脳の疲労がすごく激しい競技としても有名です。
そのため疲れた脳の栄養補給として、棋士のみなさんは対局の途中でいつも甘いものを食べているのです。
まとめ
甘いものをたくさん摂取することは、体の疲労感を癒すどころか疲労を増してしまう行為です。
ですが疲れた時に食べる甘いものはストレス解消にもなるので、なかなかやめるのは難しいですよね?
ご飯を食べた後でも「甘いものは別腹」という言葉があるくらい、甘いスイーツは魅力的な食べ物です。
それに甘いものは脳の疲労回復効果など、体に対して重要な働きをしてくれる栄養素でもあります。
食べる量によって体に対する効果がまったく変わってくるので、その点だけに注意することが重要です。
食べ過ぎてしまわないように自身で食べる量をちゃんと決めてから、心身ともに甘味でリラックスできるように心がけてみてくださいね。