睡眠時の困った悩みのひとつに「歯ぎしり」があります。
実は2018年のはじめ、私はこの歯ぎしりが原因で歯の根が折れました。
現在は治療の末に完治しているのですが、当時は「え!?歯の根っこって歯ぎしりで折れるの?」と、困惑と戸惑いで一杯だったことを覚えています。
本記事では、私自身の「歯の根っこが折れた時の体験記」と「歯ぎしりの改善方法について」をご紹介していきます。
2018年の中ごろ、朝起きたら神経のない歯が痛んだ
私は今までに2本、神経を取った歯があります。
神経は痛みを体に伝える役割を果たしているので、普通ならば神経のない歯は痛みを感じることはありません。
しかし、そんなある日のこと、朝起きたら急にズキンと刺激が走りました。
神経のない歯なのに、まるで虫歯のような痛みを感じたのです。
おかしいな~昔治療で歯の神経を取った場所なのに…どうして痛いんだろう…?
そう不思議に感じつつ、その日はまだ軽い痛みだったので様子をみて過ごすことにしました。
ですが、翌日になっても全然歯の痛みはまったくひかず…。
それどころか歯がかなりうずき始めたので、時間を取って病院に行きました。
早速レントゲンを撮り見てもらったところ、衝撃の答えが返ってきたのです。
先生、神経を取った歯なのにどうして痛さを感じるんでしょうか…?
う~ん、これは「歯根(しこん)」の部分が折れているからそれが大きな原因ですね。
しこん…?(え!はじめて聞く名前だけど、どこの部分?)
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歯ぎしりが理由で歯の根っこである「歯根」が折れていた
歯根とは、歯の根っこにある部分のことです。
歯根は歯茎の中にある部位で、通常は見ることができません。
しかし、歯と歯茎の両方を支えている歯根は、縁の下の力持ちのような働きをしています。
そのため、歯の健康を保つ上で歯根はすごく大切な部分なのです。
そんな歯根が折れていると言われた私は不思議に思って、お医者さんにその理由を聞きました。
どうして歯根が折れたんでしょうか?今までに1度もそんなことなかったんですけど…?
そうですね、この歯の形状などを見ていると…。睡眠時に歯ぎしりなどをしていませんか?
あっ…!そういえば最近朝起きた時に顎が痛い時があります…。
それは歯ぎしりを起こしているサインですね。
つまり歯ぎしりが大きな原因となり、私の歯根は折れていたのです。
歯ぎしりの主な症状と体への悪影響とは?
実は日本の人口の5~15%が、睡眠中に歯ぎしりをすると言われています。
私もその1人で、歯の根っこが折れる数か月前から、家族に歯ぎしりを何度か指摘されたことがありました。
歯ぎしりの時に歯にかかる圧力はとてもすごく、多い時で300キロもの力が加わることもあるそう。
しかも、歯にかかる圧力の影響によっては歯が欠けたり、顎の形が変わってしまうことまであります。
歯ぎしりで起こる体への悪影響
- 顎が痛くなる顎関節症になる。
- 歯並びが悪くなる。
- 歯が欠ける。
- 頭痛やストレスを誘発してしまう。
- 口内に骨隆起というこぶのようなふくらみができる。
さらに私のように、歯ぎしりで歯根が折れる人も、意外とそれなりの割合いるそうです。
神経がない歯が痛む原因は膿だった
歯根が折れていることはわかったのですが、1つ納得できないことがありました。
それは「神経がない歯にも関わらず、どうして痛みを感じたのか?」についてです。
さらに歯科医さんに詳しく聞いてみたところ、またもや意外な答えが返ってきました。
歯根が折れていることが原因で、奥が傷ついて膿が出来ていますね。
えっ!膿ができてるんですか!?
はい。膿ができたことで歯茎が腫れてしまっているので、神経がある部分が痛みを感じているんですね。
例え神経がない歯であっても、周辺に膿が発生してしまうことで歯茎は腫れてしまいます。
その結果、周囲の神経に作用して痛みを感じていたようです。
神経をとった歯だけに痛みを感じないだろうと油断していたのですが、これは意外な盲点でした。
歯根が折れた歯は抜いて治療することになった
歯根が折れた歯ですが、治療のしようがないということなので抜くことになりました。
治療方法は「インプラント」と「差し歯」とがありますがどうしますか?
そう先生に言われたのですが、私は今までに歯を抜いて治療したことがなかったので、最初はすごくとまどいました。
以前インプラントをした人に話を聞いたことがあったのですが、インプラントは本物の歯に近い感覚なので、噛み心地などがすごくいいそうです。
ただし、デメリットとして10万単位の治療費がかかってしまいます。
そこで差し歯にしようと思い、先生に相談してみました。
すると…。
ちょっともう一度歯を見せてくださいね…あっ!奥に親知らずがありますね。これで「歯牙移植」することもできますよ。
えっ「歯牙移植」ってなにですか?
「歯ぎしり」が原因で「歯根」も初めて耳にしましたが、さらにここに「歯牙移植」というまたもや初めて聞くものが登場しました。
歯を別の場所に移植する歯牙移植とは?
「歯牙移植」とは、自分の口内で虫歯になっている場所の歯を抜いたあと、そこに親知らずを移植する治療法のことを言います。
一見かなり大変そうな治療ですが、実は大きなメリットがある治療法です。
歯牙移植のメリットとは?
歯牙移植のメリット
- 保険が適用されるので、比較的安く治療できる。
- 自分の歯を使った治療なので、体に負担が少ない。
ちなみに私は保険が適用されて、治療費が1万円台でした。
歯牙移植は保険が効くので、インプラントに比べるとかなり安価な治療方法だと思います。
歯牙移植のデメリットとは?
魅力的なメリットのある治療法である歯牙移植ですが、デメリットも存在しています。
歯牙移植のデメリット
- 親知らずがないとできない治療法であること。
- 絶対に上手くいく治療法かどうかは、やってみないとわからないこと。
さらに歯牙移植をするためには、いくつかの条件が必要となってきます。
歯牙移植の条件とは?
移植する部位の歯茎が健康で、新しい歯を支える力があることが歯牙移植を行える条件となってきます。
さらに、歯を抜歯したところと、移植する歯の大きさとがある程度合うことも必要です。
私は治療が必要な歯の奥に親知らずがあったのですが、その歯を使って治療することにしました。
保険を適用するためには1日で移植しなくてはいけないとのことだったので、1回の治療ですませることになりました。
歯牙移植の治療後はどんな感じ?
歯牙移植の治療が終わッた後、数日間は朝起きてうがいをすると歯茎から少し出血しました。
ですが、それも1週間以内に収まります。
移植後は歯の痛みも治まって、1か月もたつと普通に自分の歯として快適に食事をすることができるようになりました。
やった!これで前みたいに普通にごはんを噛むことができる!
そう思っていたのですが、今までに行ったことのない歯の治療のことでしばらく収まっていたあの症状が、歯牙移植の3か月後から再びおこり始めたのです…。
歯牙移植の治療から2か月、歯ぎしりが再度起こり始めた
歯牙移植の治療が無事に終わり3か月、普通に過ごしていたある日のことです。
私は寝ている時にぼんやりとした感じで、夢を見ていました。
半分は起きているような、でも夢の中にいるような夢うつつの状態です。
ゴリゴリ!ゴリゴリッ!
そんな音をさせながら私は夢の中、奥歯で岩のような硬いものを噛んでいたのです。
大きな音もするし変な夢だな~夢だよなぁ…?これは…。
これが夢であることがなんとなくわかっている状況でボ~っとしながらも、奥歯でゴリゴリと岩のようなものを噛みつつ音を立てながらうつらうつらと夢をみていました。
するといきなり家族の声がしたのです。
「ちょっと!!歯ぎしりがうるさいよ!」
そこでハッと夢から覚めました。
起きた途端、歯牙移植をする以前に感じていた顎の痛みまで感じました。
さっき岩のようなものを噛んでいたあのすごい音は、歯ぎしりによる音だったのです。
えっ…。歯ぎしりの音ってあんなすごいの…?
自分の歯ぎしりの音を今までに聞いたことがなかったので、それはもうビックリしました。
せっかく歯牙移植をしたのに、このままでは移植した歯もまた歯根が折れてしまう!
そう思った私は、歯ぎしりの改善をすることにしたのです。
歯ぎしりの原因にはどんなものがある?
歯ぎしりの改善方法を考える際に、大切になってくるのが歯ぎしりの起こる原因を探ることです。
歯ぎしりには大きく分けて、2つの原因が考えられます。
歯の噛み合わせ
歯ぎしりが起こる原因に「歯の噛み合わせ」も深く関係していることがあります。
歯に詰めている銀などの高さが合わないために噛み合わせがおかしかったりすると寝ている時に、歯ぎしりを引き起こします。
改善方法は、歯科医さんに行くことです。
噛み合わせが悪くなっていないか、すぐにチェックしてもらえますよ。
ストレス
歯ぎしりを起こす原因の大多数であると言われているのが「ストレス」によるものです。
これは私たちが普段の生活で感じているストレスを、寝ている間に改善しようと無意識に食いしばってしまうことが原因です。
食いしばることで、日ごろ感じているストレスそのものは多少改善されますが、そのデメリットとして歯ぎしりによる歯の摩耗などダメージが起こります。
ちなみに私自身もストレスが原因による歯ぎしりでした。
歯ぎしりを自分で改善する方法にはどんなものがある?
歯ぎしりの改善にはさまざまな方法があります。
どの方法を行う上でも1番大切なことは、「自分の歯ぎしりが起こる原因となっているものが何なのか?」を見極めることです。
原因を探ることで、自分にピッタリ合った改善法を使うことができ、最適な治療ができるからです。
歯ぎしりの改善に特に効果のある方法を、下記にピックアップしてみました。
マウスピースを口にはめて歯ぎしり予防をする
歯ぎしりの改善方法の中で、昔から特に有名なものに「マウスピースの使用」があります。
口の中に直接はめて使うので、「今日からでもすぐに歯ぎしりを止めたい!」という人におすすめです。
マウスピースを使うメリット
マウスピースを使うメリットに、簡単に歯ぎしりを食い止めることが可能なことがあります。
就寝前に口にはめて寝るだけで、食いしばりを防ぐことができるので手軽さが魅力です。
これは原因が「歯のかみ合わせ」でも「ストレス」でも効果のある歯ぎしりの改善法です。
マウスピースを使うデメリット
簡単に歯ぎしりを改善できるマウスピースですが、結論から言うと私には合いませんでした。
なんとか歯ぎしりを治したかった私は、歯牙移植をした歯科医さんのところで保険を適用して、マウスピースを5000円ほどで作ってもらいました。
しかし、実際にマウスピースを口にはめて寝たところ、今度はマウスピースのことが気になってしまってなかなか眠れないのです。
旅先で枕が変わると眠れないなど、就寝時に細かなことが気になってしまう人にはちょっと不向きかもしれません。
ですが、その反面「マウスピースを使うこと、歯ぎしりが治った!」などの声も多く、人によって効果があるのは間違いありません。
最初から自分の口に合うものをオーダーするのではなく、まずは市販のマウスピースを使ってみて、就寝時に気にならないか試してみることを強くおすすめします。
そのほうが安くすみます。私も最初に市販のもので試しておけばよかったと後悔…。
音楽CDを聴いて精神的にリラックスする
この項目を見て「えっ?!なんで歯ぎしりの改善に音楽CD?」と思われた方も多いと思います。
しかし、ここでいう「音楽CD」とはただのCDではありません。
就寝前に視聴することでリラックス効果が得られる「癒しの音楽CD」のことです。
歯ぎしりの原因の多くは、ストレスが深く関係しています。
そのため歯ぎしりを改善するには、日ごろ溜まったストレスを解消することがとても大切です。
さまざまな音楽CDが発売されていますが、おすすめは心をリラックスさせてくれる効果の高い「ソルフェジオ周波数」を用いているこちらのCDです。
寝る前に聴けば癒される音楽CDについて、さらに詳しくはこちらの記事でもご紹介しています。
音楽CDを使うメリット
口に直接入れる「マウスピース」などとは違い、就寝前に癒し効果のあるCDを聴くだけなので、手軽に試せることがメリットです。
実は私自身、歯ぎしりに効果があると意識せずに偶然癒しの音楽CDを聴き始めたのですが、これが意外に効果的でした。
聴くだけで癒される効果のあるというCDは、自然界の音を収録した「小川のせせらぎ」や「オルゴールの音色」など種類も豊富なので、自分好みの音楽を選ぶことができます。
リラックス効果が高いので、ストレスそのものに働きかけてくれます。
音楽CDを使うデメリット
音楽CDを使うデメリットとして、即効性があるかどうか、かなり人によって違いがあるという点があります。
耳で聴くだけなので簡単ではあるのですが、確実に効果があるかどうか疑問に感じる方も中にはいらっしゃるかと思います。
また、「寝る時に音楽をかけると寝れない」という方にはおすすめできない方法です。
まとめ
寝ている最中は無意識であるため、自分の歯ぎしりの音になかなか気が付かないものです。
例え気が付いていなくても、朝起きると顎が痛かったり歯に異変を感じたりすることで歯ぎしりを認識することは多いようです。
心身の健康のためにも、歯ぎしりの改善を行うことはとても大切です。
私の歯ぎしり経験は顎が痛くなったり、歯牙移植をする羽目になったりとかなり大変でした。
今回の体験記が「自分も歯ぎしりの症状があるかもしれない」と、現在不安を感じている方の参考になればうれしいです。