「最近イライラすることが多くてね~」といったら「カルシウムが足りてないんじゃないの?」という風にアドバイスをされた、なんて人は多いです。
事実この「イライラする=カルシウム不足」という定説は何十年も前から言われてきたことなので、今ではかなり多くの人に知れわたっています。
しかし最近になって「イライラの解消にはカルシウムが効果的であるという説は迷信だ」という話を耳にしました。
もしもこれが本当ならば、かなりビックリする話ですよね?!
そこで本記事では、一体どちらが正しいのかについて調べてみました。
カルシウムが不足してもイライラにはならない?
実は私たちの体の中で「カルシウム」が不足しても、すぐにイライラし始めるわけではありません。
これには大きな理由があります。
血液の中を行き来するカルシウム量が少なくなると、体の動きを正常に保つために、骨の中に普段は溜め込まれているカルシウムが血液中に溶け出すからです。
カルシウムによる働きが衰えてしまわないように、体内でうまく調節機能が働きはじめるのです。
その結果カルシウムが不足しても、すぐには心身に影響をもたらさないようになってます。
もともとカルシウムの持つ健康作用と言えば、体の骨を強くすることが有名ですよね?
にもかかわらず、なぜ「カルシウム不足がイライラの原因」と言われるようになったのでしょうか?
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カルシウムにはさまざまな働きがある
カルシウムには「貯蔵カルシウム」と言われる骨を作る働きがあるものと、血液の中にある「機能カルシウム」という、脳などに信号を送っている神経を助ける働きのあるものとの2種類があります。
「イライラの原因はカルシウム不足」
昔からこう言われるわけには、機能カルシウムの存在が深く関係しています。
血液中の機能カルシウムが不足することで、脳の神経伝達のバランスが上手く働かないようになり、その結果イライラするのです。
しかし先ほどの項目でご紹介したように、私たちの体内にはもとから貯蔵されているカルシウムがあります。
そのおかげで普段の食事により、少々カルシウムが不足したくらいではイライラはしません。
だからと言って、今度はまったくカルシウムを食事で摂らないようになると、この貯蔵しているカルシウムもいずれ足りなくなるのは当然のことです。
さらに、カルシウムには脳神経の興奮を抑える働きも備わっています。
イライラ感をなるべく抑えるためにも、普段から心してカルシウムを摂取することが大切です。
カルシウムが豊富に含まれている食品は?
カルシウムが豊富に含まれているものの代表格と言えば、やはり「牛乳」を上げる人が多いのではないでしょうか?
牛乳は朝など時間がない時でも飲むだけでカルシウムの摂取ができるので、手軽に健康効果を得られるのでおすすめです。
ですが、中には「牛乳が苦手で…」と言う方も結構いらっしゃいます。
そこでここでは牛乳以外でも、カルシウムを多く摂れる食品について集めてみました。
乳製品
- パルメザンチーズ
- ナチュラルチーズ
- ゴーダチーズ
- アイスクリーム
- ヨーグルト
魚類
- ちりめんじゃこ
- 桜エビ
- きびなご
- イワシの丸干し
- シジミ
野菜類
- 小松菜
- 菜の花
- 切り干し大根
- チンゲン菜
大豆製品
- 納豆
- 木綿豆腐
- 厚揚げ
- 油揚げ
海藻類
- ひじき
- わかめ
イライラを解消するにはカルシウムだけでは足りない?
上記のように、さまざまな種類の食品にカルシウムは豊富に含まれています。
実は日本人は世界で1番、カルシウムを摂取している量が少ない民族であると言われています。
なるべく普段から意識してカルシウムの入った食品を摂るように努めたいですね。
また、女性に比較的多いと言われる「骨粗しょう症」を防ぐためにも、カルシウムは大切な栄養素です。
そんなカルシウムですが、多く摂っていればイライラを完全に防げるというわけではありません。
ストレスによるイライラ感の原因の多くは、自律神経の乱れと疲れにも大きな関係があるからです。
幸せホルモンの作用があればイライラしない!
疲れは休息をとればある程度解消できますが、イライラの原因となっている自律神経の乱れを治すには幸福ホルモンと言われる「セロトニン」が必要になってきます。
そんな大事なセロトニンですが、作るには原料となる「トリプトファン」が必須です。
しかしトリプトファンは体内で生成できないので、その分を食品から摂取しなくてはいけません。
カルシウムとトリプトファンの2つが含まれている食品は?
そこでイライラを解消する食品としておすすめするのが、「乳製品」と「大豆製品」です。
この2つには、カルシウムとトリプトファンの両方が含まれています。
1つの食品で2つの栄養を同時に摂取することができるので、まさに一石二鳥の食品です。
この他にも、体の中でセロトニンを増加させる方法として「普段の食事の食べ方」も大きなポイントになってきます。
食べかたに関してはよく噛んで食べるとセロトニンが増加してストレス解消への近道になるの記事で詳しく書いていますので、こちらも併せてご覧ください。
まとめ
このように、カルシウムが足りていないこととイライラすることには直接的な因果関係はありません。
しかし、強い体を作るためにもカルシウムは欠かすことのできない、大事な栄養素のひとつなのです。
骨折や骨粗しょう症で悩まないためにも、日ごろの食生活で体調を管理して、けがなどの予防をできるように気をつけましょう。