1998年に初刊行されてから今に至るまで、「読むと癒される」とたくさんのファンから愛されている小説があります。
それが矢崎存美さんの人気作である「ぶたぶたシリーズ」です。
はじめて聞く人にとっては、かなり不思議なシリーズ名だと思います。
いったいなぜこの不思議な名前の作品が20年もの間、多くの人に読まれ続けているのでしょうか?
本記事では「ぶたぶたシリーズ」の持つ面白さの秘密と、魅力についてをご紹介していきます!
ぶたぶたシリーズの主人公は動いて話す「ぶたのぬいぐるみ」!?
「ぶたぶたシリーズ」の主人公は、名前を「山崎ぶたぶた」と言います。
一見すると「とても変な名前だな~」と、思った方もいらっしゃるかもしれません。
それもそのはず、なんと主人公であるぶたぶたさんは人間ではありません。
「ぶたのぬいぐるみ」なのです。
作中の登場人粒の話では、ぶたぶたさんの見た目はだいたいバレーボールのサイズくらいだそう。
でも、実際はただのぬいぐるみではなく、ぶたぶたさんは動けるうえに話すことも(渋めのいい声らしい)できるのです。
さらに驚きなのはこのぶたぶたさん、なんと結婚していて奥さんがいるうえに娘が2人います。
思わず頭に「?!!」と、ビックリマークが連発するようなとっても不思議な世界感ですよね。
そんなぶたぶたさんに出会った登場人物たちは読者と同様、「え!?ぶたのぬいぐるみがしゃべってる!?」と誰もが1度は驚きます。
ですがぶたぶたさんと過ごす間に、みんな徐々に彼の持つ魅力に引き込まれていくのです。
ぶたぶたさんの持つ魅力
そんなぶたぶたさんの持っている魅力ですが、本人(人なのか?)はいたってマジメ。
困っている人に親切な中年男性そのものとして、作中では描かれています。
実直で人の相談にも親身になってくれるぶたぶたさんの姿をみていると、その優しさに心が癒されるのです。
見た目もぶたのぬいぐるみでかわいいという物話なので、読んでいると「ぶたぶたさんが近くにいてくれるといいのにな~」と、ついつい思ってしまうほど。
作品の中でぶたぶたさんに出会うことによって、主人公たちは活や心の悩みを解消したり、成長していきます。
そんなぶたぶたさんの話を読んでいると、いつもほっこりしたり勇気が湧いてくる気持ちになれるんです。
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おすすめの「ぶたぶたさんシリーズ」をピックアップ
不思議な世界観と、ふんわりとした優しい物語が魅力の「ぶたぶたシリーズ」は現在20冊以上の巻数があります。
どれから読んでもどんな話かがわかるので、途中から読んでも楽しめるのがぶたぶささんの魅力のひとつです。
本記事では、数あるシリーズの中でも、特におすすめの作品についてピックアップしてみました。
ぶたぶた
記念すべきぶたぶたさんシリーズの第1作目が、この「ぶたぶた」です。
今でこそ、各シリーズ内ではさまざまな役に扮しているぶたぶたさん。
そんな彼が今作ではタクシーの運転手さんや旅人にシェフなど、1冊のなかであらゆる分野の仕事をしています。
基本的に「ぶたぶたシリーズ」は、どこから読んでも話は分かります。
ですが、やはり1作目ということで、シリーズを最初に読む時の入門編としてもおすすめです。
キッチンぶたぶた
小さな体で大きな鍋に入ったスープをかき混ぜているぶたぶたさんの表紙絵が、なんとも愛らしいのが「キッチンぶたぶた」です。
この作品では、洋食屋さんのシェフになっているぶたぶたさん。
そんなぶたぶたさんが、すばらしい料理の腕前と持ち前の優しさで、悩める人たちの心をつぎつぎと癒していきます。
ほっこりできる話と共に「キッチンぶたぶた」では、毎回登場する料理がどれもおいしそうなことも魅力的です。
その中でも特に「ナポリタン」と「プリン」の描写は見事で、お腹が空いている時に読むとたまりません。
学校のぶたぶた
「学校のぶたぶた」というタイトルを聞いて、私は最初「今度のぶたぶたさんは学校の先生か~」と思っていました。
ですが、実際には学校のスクールカウンセラーとして活躍しているぶたぶたさんの話です。
悩める中学生たちの心に、優しく寄り添っていくぶたぶたさん。
そんな彼を見ていると「学校にこんなスクールカウンセラーがいたら、さぞかし心強いだろうなぁ」と思わせてくれる1冊です。
もともとぶたぶたさんは、シリーズを通してすごく真摯で優しい人柄なので、スクールカウンセラーという職業には納得しました。
悩みを相談する中学生たちへ対するぶたぶたさんの言葉には、どれもうなずけたりほっこりできるものばかりです。
読んでいると、ストレスで疲れた心をほぐしてくれているような気持ちになれる作品になっています。
ぶたぶた洋菓子店
森の中にある「コション」というお菓子屋さんが舞台の「ぶたぶた洋菓子店」は、パティシエになったぶたぶたさんを見ることができます。
「タルト」や「ラスク」など、洋菓子屋さんの定番であるお菓子もたくさん登場します。
また、ぶたぶたさんをモチーフにしている「ぶたの顔の形クッキー」や「マカロン」のように、「実際にあったら食べてみたい!」と思わせるオリジナルなお菓子の描写もたまりません。
さらに「ぶたぶた洋菓子店」ではなんと、ぶたぶたさんの愛らしい2人の子供たちも登場しています。
ぶたぶたさんの普段の姿も垣間見ることのできる、貴重な1冊です。
訪問者ぶたぶた
第1作目の「ぶたぶた」と同様に、ぶたぶたさんが1冊の中でさまざまな職業についている短編集となっています。
シリーズの中ではコメディ色の強い内容になっているので、笑いたい気分の時におすすめです。
「訪問者ぶたぶた」というタイトル通にふさわしく、助っ人としてマンガ家のお宅に訪問したり、会社のセールスマンとして訪問したりと、いつも以上にさまざまな業種に大活躍のぶたぶたさんが見られます。
さらに、とある村の家庭に訪問した際では神様に間違われたりと、ドタバタ劇のような展開です。
ぶたぶたさんの不思議な魅力に拍車がかかっている場面もあるので、読んでいてかなりおもしろいですよ。
ほっこりしたりクスッと笑えたりと、大満足な作品となっています。
森のシェフぶたぶた
1日限定1組しか宿泊できないことで知られている、大人気オーベルジュ「ル・ミステール」
本作内で、ぶたぶたさんはそんな素敵な宿泊施設のオーナーシェフ兼経営者です。
森の中にたたずんである「ル・ミステール」は、客室から見える美しい自然や癒しの温泉がすごく魅力的な宿として紹介されています。
さらに、オープンキッチンではぶたぶたさんの華麗な料理風景まで見れるなど、ステキなオーベルジュです。
提供される料理もぶたぶたさんの作る「本格フレンチ料理」や「パンケーキ」に「できたてのクロワッサン」の描写が素晴らしい。
また、選べる「デザートプレート」など、今回も読んでいてお腹の鳴るほどおいしそうなラインナップとなっています。
「こんなオーベルジュだったら泊まってみたい!」
読んだ誰もが思う「森のシェフぶたぶた」ですが、今作ではぶたぶたさんがフランス語を話せることまで判明するなど、読めばさらにシリーズの魅力を深めることができる仕上がりです。
まとめ
「ぶたぶたシリーズ」は初刊行してから20年にもなり、長年たくさんのファンから愛されている作品です。
作者の矢崎さん自身、小説のあとがきで「こんなに長くこのシリーズを続けられるとは思わなかった」とおっしゃっています。
それほど長く人々から愛されているのは、主人公である「ぶたぶたさん」のほんわかして優しく真摯な人柄も、大きく関係しているのではないかと思っています。
「いつも疲れた時には、ぶたぶたさんを読んで心を癒すんだ」
そんなファンの声も多く聞かれます。
日ごろのストレスで心を癒されたい時、1度「ぶたぶたさんシリーズ」を読んでみてはいかがでしょうか?
ぶたぶたさんが作り出す優しい世界観に、心がほんわか温かくなりますよ。
合わせて読みたい
ぬいぐるみなのか人なのかわからない、不思議な存在である「ぶたぶたさん」のシリーズは読むと心を癒される作品です。
そんなぶたぶたさんの小説を読んだ後は、同じく読めば癒されるマンガ作品もおすすめします。
ぶたぶたさんと同様に長く親しまれている人気作「ぼのぼの」など、動物マンガの世界も近年「読むとストレスが癒される」と人気があるシリーズです。
動物マンガについて、さらに詳しくはこちらの記事にてご紹介しています。